インドの学校との交流では、実体験から多くを学んだ。当初「勉強やから仕方ない」くらいに思っていたというAさんは、こう話す。
「薄暗い教室の床に座り、机も椅子もない状態でインドの子どもたちと同じように勉強してみたんです。その時、自分たちは恵まれていると気づきました」
インドの友だちを本当に助けたいと思うようになった。本の出版も、収益金を寄付にあてるのが目的。子どもたちは12班に分かれ、先生や出版社とのやりとり、ライターや校正、宣伝などを分担した。
「テレビ局なんて簡単に来てくれると思ってました」と語るのはテレビ班のBさん。でも、依頼書の書き方さえわからない。インターネットで調べたり保護者や先生に聞いたりして何度も書き直した。
「自力で解決させたいから、少しヒントを与えるだけで添削はしていません」(三宅先生)
10回も書き直した末、テレビ局に送ったが反応はゼロ。
「世間は甘くないということがわかりました(笑)」(テレビ班のCさん)
出来上がった128ページの本、『ナマステ!会いたい友だちと』(さくら社)は子どもたちの6年間の学びのすべてが詰まった宝物だ。
※AERA 2016年2月1日号より抜粋