女性に優しい企業の代名詞「資生堂」が行った改革の波紋が収まらない。育児中の女性もキャリアアップを目指し、覚悟を持って働くべきか。企業も、家庭も、社会も変わらなければいけない時代が来ている。
資生堂は2014年4月に美容部員の働き方を見直し、子育て中も可能な限り夕方以降や土日の勤務をするよう求めた。「育児中だから」と自己成長を止めることなく、キャリアアップする姿勢を会社が後押しするための改革だ。
この改革を受けて働く女性からは賛否両論、様々な意見が出ている。テレビでも取り上げられ「資生堂ショック」として大きな話題となったが、人々は子育てと育児についてどんな意見を持っているのだろうか。
今月、アエラは20~60代の男女332人に、アンケートをした。「子育てしながら、女性はどう働くべきか」を聞いたところ、「仕事はペースをゆるめて、子育てを優先すべき」(75.9%)が、「子育てしながらも、キャリアアップを目指すべき」(24.1%)を大きく上回った。
「子育て優先」と答えた人の理由には、幼少期における母親の役割を重視する意見に加え、「(社会に)育児を任せられる環境が整っていない」「キャリアアップと同時にすると体がもたない」など、社会や職場環境の問題を指摘する声も多かった。「子育て優先」と答えた割合は、特に30、40代の女性で高かった。子育てに直面する女性たちが疲弊していることの表れだろう。
その半面、資生堂の対応についても聞いたところ、賛成派(33.7%)が反対派(12.3%)を上回った。職場環境が整えば、キャリアアップを目指したい女性は少なくないのかもしれない。