小説 映画 進撃の巨人 ATTACK ON TITANAmazonで購入する
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 公開前から話題の実写映画「進撃の巨人」。主人公のエレンを演じる三浦春馬さんと、ミカサ役の水原希子さんが対談し、それぞれ作品への思いを語った。

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三浦春馬さん:エレンを演じることには、ものすごいプレッシャーがありました。あれだけ人気のある漫画の、しかも主人公。業界内でも注目度が高かったので、先輩方にも「楽しみにしている」と言われると、励みにはなったけど、本当にしっかりしなきゃって。

水原希子さん:実は、私は漫画を読んだ時から、ミカサはヒロインだけあってとてもきれいな女性だし、強くて魅力的なキャラクターだと思っていて。だから、もし映画化されるのなら、恐れ多いけれど、ミカサ役がいいなあって思っていたんです(笑)。

三浦:漫画のエレンは、青臭くて、何かに突き進むエネルギッシュな部分を持っているんですけど、映画の中の彼は孤独。あるいは、何かに焦っているようにも感じました。そうした一匹オオカミっぽい感じは常に意識して演じていました。

水原:ミカサって、漫画と映画のどちらでも強いです。だけど、それぞれ強さの種類が違うのかなと感じています。漫画では、子どもの時にエレンを守るため、人を殺したりして、ヘビーな過去を持っている。何ていうか、子どもの時からいろいろなことを悟っていて、カリスマ的な強さ。でも、映画の中の彼女は幼くて、何の闇も抱えていない天真爛漫でピュアな部分があります。それがやがて、愛する人のために戦い、大きな愛を持った女性に変わっていったように思います。

三浦:僕の解釈で話させてもらうと、映画化するにあたって、樋口真嗣監督は普遍性を感じてほしかったんじゃないかなと思ったんです。つまり、エレンは孤独で、漠然と現状に納得がいかずにもがいているんだけど、大きな目標や、自分が打ち込めるものが見つかっていない。だから、仕事も辞めてしまうし、何かに当たる……。これって、誰もが経験したことがありますよね。たとえば、10代の時に思い描いていた20代の自分が、いざその年になってみると、まったく違っていて、焦る瞬間です。だから、自分に近い視点で見てもらえると思うんです。

AERA 2015年8月3日号より抜粋