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 ガンダムの魅力を制作資料1千点で解き明かす「ガンダム展」が、東京の六本木ヒルズで開幕した(9月27日まで)。生資料の魅力とは。

 ガンダムが東京にやってきた。六本木ヒルズ(東京都港区)の森アーツセンターギャラリーで18日に開幕した「機動戦士ガンダム展 THE ART OF GUNDAM」。1979~80年に放映されたファーストガンダム(シリーズ第1作)を中心に、テレビや劇場版の制作資料など約1千点を展示した過去最大級のガンダム展だ。

「36年前にガンダムを作ったクリエーターのみなさんの熱量を感じてほしい」と話すのは、ガンダムの制作会社「サンライズ」(東京都杉並区)のプロデューサー、池谷(いけや)浩臣さん。「クリエーター」とは、ガンダムの生みの親で、総監督を務めた富野由悠季(よしゆき)氏(73)、美術監督の中村光毅(みつき)氏(故人)、メカニックデザインを担当した大河原邦男氏(67)、そして、キャラクターデザインを担当した安彦(やすひこ)良和氏(67)のこと。約1千点の展示資料の中には、クリエーター直筆の資料が数多く含まれている。

 ふつうアニメの制作資料は、作品が終了すると役割を終え、処分されてしまう。だが、サンライズは30年以上も前から社内に専門の部署を作り、制作資料を倉庫に入れて厳重に保管してきた。しかも、資料は「基本的に外に出さない」(池谷さん)といい、これだけの量の資料が外部で展示されることは、非常にまれなことだという。

 さらに特筆すべきは、生資料ゆえに感じられる線の力強さだ。安彦氏が描いたアムロやシャア、大河原氏が描いたモビルスーツのガンダムにザク、地球連邦軍の母艦「ホワイトベース」……。緩急ある伸びやかな線が、鉛筆で描かれている。これがコピーだと、単に紙にインクが乗っているものとしか見えない。しかし、生の場合、近くで見ると「筆圧」までわかるという。

「生の資料ならではのすごさがそこにあると思います」と言う池谷さんは、同展の目玉の一つでもある「特設シアター」をプロデュース。縦4メートル、横12メートルの巨大スクリーンで、ホワイトベースのメインブリッジに模した。お客はガンダムの名場面の一つ、大気圏突入を巡る戦いを疑似体験できるのだ。

「アニメ本編では見られない表現も盛り込みました。新しいガンダムを臨場感たっぷりに体感してほしい」(池谷さん)

AERA 2015年7月27日号より抜粋