女性の活躍推進はいまや国家プロジェクトだ。その主役の女性たちは、いったいどんな思いで働き、どんな未来を描いているのか──。アエラは、働く女性を応援するイベント「ウーマン・イン・ソサエティ」を主催する女性誌「ELLE」と共同で、主に20~40代の働く女性519人にアンケートを実施し、その“素顔”を探った。
目立ったのは上昇志向の強さだ。回答者の約6割が「キャリアアップしたい」と回答。一般的に、女性は管理職になりたがらない、子育てなどを重視して仕事をセーブしがち、などと言われるが、数字からは仕事への意欲がかなり高いことがわかる。
だが、職場にはいまだ女性のモチベーションを下げる要因も多い。「働いていて、女性が不利だと感じた」人は45.7%と、約半数が不平等を感じた経験をもつ。
「最終決裁をもらうときは、男性上司を同席させたほうが決まりやすい」(30歳・会社員)
「自分より仕事ができない男性が出世した」(30歳・会社員)
など、男社会の壁を感じる人はまだ多い。
会社役員の女性(35)は以前、営業として働いていた人材派遣会社で、「女だから数字がとれた」と噂されたことがある。男性しかいない支店で、トップの成績をとったときのことだ。もともとまめな性格で、客にお礼状を出すなどの気遣いをしたことが功を奏した。それなのに、「女だから高い評価になった」と噂され、より自分らしい働き方を求めて転職したという。
この女性は学生時代、雑誌の読者モデルをしていたほど見た目が美しい。そのせいか社長の接待に同席するなど“女性ならでは”の仕事もあったという。結局、彼女は起業し、現在は役員として会社経営に携わっている。
この女性のように、企業の中で壁や働きにくさを感じることはある。その結果、「転職」や「起業」を選択肢にする人も多い。
※AERA 2015年8月3日号より抜粋