プラモデルである以上、ユーザーからは、仕上がりの美しさだけでなく、作る楽しみも求められる。完成品を見ただけではわからない、プロのこだわりが随所にちりばめられているのだ。

「ガンダム好き」と「ガンプラ好き」が高じて、バンダイに入社したという小林幹広さん(42)は、デザインを担当。主に組み立て説明書とパッケージの制作を手がけている。

「説明書の内容も、時代を経て進化しています。一例を挙げるなら、昔は『向きに注意』『先に組み立てます』など、いちいち言葉で説明していましたが、現在は極力アイコン化。直感的に組み立て方が理解できるようになっています」

 3D技術の進歩により、組み立て図が立体的になったことも、わかりやすさにつながっている、と小林さんは分析する。商品の“顔”であるパッケージのデザインにも、細心の注意を払っている。

「メインのビジュアルは、やっぱりカッコよくて迫力があり、けれん味もあるイラストが理想ですが、プラモデルですから嘘は描かないようにしています。完成したとき、きちんと同じポーズを取れることが大前提です」

AERA  2015年7月27日号より抜粋

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