現在も毎年200~300アイテムほどの新作が発売されているガンプラ。日本製にこだわった最先端の技術と、スタッフたちの熱い思いをリポートする。
静岡鉄道の長沼駅(静岡市葵区)のすぐわきに、「ガンプラの聖地」と呼ばれる「バンダイホビーセンター」はある。1階は24時間態勢(3交代制)で稼働する生産工場。1日に最大1万個の商品を作ることができる。3階には企画開発や設計、デザインなどを担当する約90人のスタッフが勤務。お互いに連携しながら、チームとして新作を生み出していく。バンダイのプラモデル作りにおける粋が集められた“総本山”だ。
そこで生まれる最新のガンプラは、驚くほど進化していた。
7月発売の「HGUC RX―78―2 ガンダム」。ガンダム世代にはなじみ深い1/144スケールの新作である。2001年に発売された「HG」シリーズのガンダムをベースに、最新の成形技術と新規金型を用い、発案から約1年の時間をかけて「リヴァイヴ(新生)」させた。同じく企画開発チームの三宅のぞみさん(25)が解説する。
「2001年版の合計パーツが132個だったのに対し、新作は合計140個。パーツ数はあまり変わらないのですが、可動部分は01年版の23カ所から35カ所へと大幅に増えています」
つまり、作りやすさは維持したまま、複雑な動きを可能にしたということ。肩が真上まで上がるようになり、腰も前かがみに動くようになった。ひじとひざには二重関節機構を採用。よりガンダムらしいポーズを取ることが可能に。「機能面と作りやすさの両立を目指した」と三宅さんは語る。
「例えば今回は、パーツの配置にも工夫を加えています。足なら足、腕なら腕のパーツを近くに集め、ストレスなく探せるように配置し直しました」