年功序列的に待遇が決まった従来の日本型給料制度が一変する。仕事の重要度やインパクトがお金に換算され、ポストに値段がつく「役割給」という新しい体系が導入されつつあるのだ。
役割給の生みの親であるヘイコンサルティンググループ社長の高野研一さんは、今後「部下なし管理職」は降格され、プレーヤーと同等の処遇になる場合が多くなると予測する。ニッポンの課長に“給料革命”をもたらす役割給とは一体何なのか。
一言で言うなら、「座る椅子に値段がつくこと」(高野さん)だ。例えば「営業課長の年収は800万円」というように、「各人の仕事=ポスト=値段」と値付けされるイメージだ。人事コンサルティング会社マーサージャパンのプリンシパル、中村健一郎さんは言う。
「今までは能力や実績や年齢でお金を払っていたのに対し、役割給は、この仕事はこれだけ重要でこれだけの負荷があるから、いくら支払います、と“将来”に対して給料を払う考え方」
一つ一つの椅子(ポスト)に値がつくため、基本的には、そこに誰が座ろうが値段は一緒。そのポストにふさわしい人が社内にいなければ、外部からヘッドハントしてくることも辞さない。
個別ポストの格付けは、マーサーの場合、以下の四つの切り口をベースとする、と中村さん。