「ドローンは危険」というイメージがつき、ドローン所有者の肩身は狭くなっている。海水浴場でドローンを飛ばすことを禁止した自治体も/6月24日、東京都渋谷区の代々木公園(撮影/編集部・永田稔)
「ドローンは危険」というイメージがつき、ドローン所有者の肩身は狭くなっている。海水浴場でドローンを飛ばすことを禁止した自治体も/6月24日、東京都渋谷区の代々木公園(撮影/編集部・永田稔)
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 あの官邸事件以降、受難の日々が続くドローン。確かに悪用もあるけれど、「空の産業革命」とも言われるドローンに対する熱気が、冷めることはない。

 4月下旬、首相官邸の屋上でドローンが発見され、さらに放射性物質が入った容器まで搭載していたことが発覚。それを飛ばした福井県内に住む男が逮捕された。

 事件を受け、ドローン規制に向けた動きが急ピッチで進む。東京都をはじめ、各自治体は次々と公園での利用を制限。自民、公明、維新、次世代の4党は6月12日、首相官邸など重要施設とその周辺約300メートルで小型無人機を飛行禁止にする法案を、議員立法で衆院に共同提出した。

 まさにドローン受難の時代、と思いきや、「空の産業革命」と言われるドローンは、規制などどこ吹く風で、その市場を広げている。調査会社のシード・プランニング(東京都)によると、ドローンなど国内の無人飛行機の市場規模は、2015年に16億円、20年には約11倍の186億円、22年には406億円に成長する見通しだ。

 保険業界も動きだした。東京海上日動火災保険は7月、「産業用無人ヘリコプター総合保険」を売り出す。ドローンが墜落したり、人に接触してけがを負わせたりした際の費用を補償する。ドローンのリスクを広く補償する保険は国内初。評判は上々で、同社の広報担当は、

「ひっきりなしに問い合わせをいただいています」

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