劇場では「女性が食べやすく、かつ、食べているシーンもおしゃれに見えるフィンガーフードを多くそろえる」(大木さん)という(撮影/高井正彦)
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 映画ファンやミニシアター好きに朗報だ。1994年にオープンし、2011年に惜しまれつつ休館した恵比寿ガーデンシネマが「YEBISU GARDEN CINEMA」となって甦った。飲食OK、おしゃれな空間。夜が楽しくなりそうだ。

 恵比寿ガーデンシネマといえば、マナーの良い映画好きが集まるというイメージが強かった。地方から上京する度に恵比寿で映画を楽しむ、というファンもいた。

 新しい映画館は、ユナイテッド・シネマとサッポロ不動産開発の共同運営。サッポロ不動産開発の松下靖弘企画部長によると、恵比寿ガーデンシネマのあとにオープンしたK‐POP専用劇場「K THEATER TOKYO」の契約が昨年12月末で終了、また恵比寿ガーデンプレイスが昨年10月に開業20周年を迎えるにあたって街全体の活性化が検討される中、映画館再開に結びついた。映画館の復活を願う声がずっとあったという。

 劇場はもちろん、街全体のメインターゲットは成熟した30代後半の女性。そこで施設の内装も女性視点を意識し、女性スタッフが中心になって考えた。担当したサッポロ不動産開発の大木梨江課長代理は言う。

「一番苦労したのが、映画館に見えない映画館にすること。シネコンっぽくない映画館を目指したかった。とはいえ映画の世界観は表現したくて、ロビーには名画のワンシーンや往年のハリウッドスターなど、クラシカルで上品な雰囲気のあるポスターや写真などを取り入れました」

 映画を観たあとに映画談議ができるようなゆったりしたカフェスペースや、パウダールームの内装にもこだわった。劇場は以前と同様2スクリーンだが、館内は満足度を大切に、シートは広めの60センチ幅にした。

 また、以前は不可だった劇場内飲食がOKに。ポップコーンに炭酸飲料といったシネコン風とは一線を画し、ガーデンプレイス内の飲食街とのコラボレーションメニューや話題のマフィンなどを提供。アルコール類も充実させた。残業で遅くなった働く女性たちが一息つける劇場に生まれ変わった。

AERA 2015年4月13日号より抜粋

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