アンケートで最も多かった回答は「働けるなら何歳まででも」で、その数は約半数に達した。

「70歳まで」を合わせると、6割の人が少なくとも70歳までは働くことを希望している。

●もう無理って思う

 一方で、「70歳まで働くことが当たり前」の時代が来ることについて、賛成か、問いかけたところ、結果は「賛成ではないが仕方ない」が4割と最多。「賛成」は3割で「反対」が2割。「長く働きたい」という言葉の裏の本音が透けて見える。

 渋々受け入れ派は、

「少子高齢化ではしょうがない」(ライフサイエンスメーカー、部長、40代後半、男性)

「肉体的には現職を70歳まで続けるのは難しいので、転職、またはいまの会社で職種を変更できないなら継続は難しい」(化学メーカー、課長、40代前半、女性)

 反対派からは、

「年金支給開始時期を先送りする目的で70歳定年制を語られるのは、現役世代としてあまりに身勝手すぎると思う」(流通・小売り、社員、40代前半、女性)

 という、怒りの声も。

「もう無理って思う」(サービス、社員、40代後半、男性)

 と、現段階ですでに精根尽き果てたような回答もあった。

 一方で、積極的賛成派は、

「働くことが好きだから」(その他メーカー、課長、40代後半、女性)

「毎日家にこもる生活はつまらないから」(ソフトウェア、課長、40代後半、男性)

「昔より70歳は元気だから」(電機メーカー、課長、40代後半、男性)

 3回の転職で外資系企業を渡り歩いた女性(48)は「社会と関わっていたいという思いがあります。別に仕事じゃなくてもいいかもしれないけど、現段階では別のことを思いつかない」と笑う。

「まだ専門知識も勉強したいし、次世代の人材を育成したいという思いもあります」

 東京オリンピックが開かれた1964年、日本人の平均寿命は男性が67.7歳、女性が72.9歳だった。その頃、70歳はまさに人生の最終章だったが、今の70歳にはあと10~15年時間がある。高齢者の体力は15年前に比べて5歳程度若返っているというデータ(文部科学省「体力・運動能力調査2013年度」)もあり、生涯現役派には「まだまだやれる感」がみなぎっているようだ。

●ギアチェンジが必要

 ただ、70歳まで働くといっても、今と全く同じようにはいかない。自分の中で優先順位をつけ、ギアチェンジしていく必要がある。では「70歳まで働き続ける場合、譲れないものは?」。

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