
2015年から新保育制度が導入される。制度が変われば、保育園に入りやすくなる。親たちはそう期待した。しかし、これまでのノウハウが使えないことで、新たな心配と混乱を生み出している。
保活激戦区として知られる江東区豊洲に住む育休中の女性(29)は、長女(11カ月)の預け先を求めて出産直後から情報を広く集めていた。いくつか施設を見学して興味をもったのは、幼稚園と保育園が連携している「こども園」。教育的な面を重視し、残業にも対応してもらえる。第1候補に決めた。
「お受験のような面接があるそうで、親もちゃんとスーツを着て臨まなければいけない。プレッシャーだけど頑張れば入れるわけで、努力の余地がある。夫と心づもりをしていました」
ところが、夏の申し込み説明会で「新制度の下に移行するかもしれない」と聞かされた。そうなると区が窓口になり、認可と同様、「保育の必要性」の指数によって振り分けられてしまう。すでに認可保育所には年度途中の入園を申請しているが、ことごとくはねのけられ、厳しさを痛感していた。
「がっかり。一から保活のやり直しです」
保活に直面する親たちを動揺させているのが、これまで通用していた「保活の裏ワザ」が使えなくなる可能性があることだ。
「認可外の加点がなくなるかもしれないなんて初めて聞いた」