ママ友同士の付き合いは支えになる一方、時には負担になることも。特にSNSが普及してきた近年は、新たな気苦労もあるようだ。
都内に住む主婦(40代)は、ママ友グループのメンバーとFBでもつながっている。グループ内の関係がぎくしゃくし始めたのは「ある投稿」がきっかけだ。投稿主は、普段から食育への意識が高いAさん。炭酸飲料を一切子どもに与えない、野菜はオーガニックだけにこだわるなど、子どもに何を食べさせるかは保護者同士で議論が分かれるテーマだ。これまで育ってきた環境や人生観に根付いていることが少なくなく、感情的な論争も呼びやすい。
Aさんは、みんなで集まって食の話題が出たときは何も言わないが、FBでしばしば、「産地もわからない野菜を子どもに与えるなんて信じられない」など、他のママ友の言動に批判的な投稿を書き込んでいた。
「直接話している時に言ってくれればいいのに、SNS上で後から意見を投稿する。遠回しに非難されているような気がして、『これって私のことかな』といい気持ちはしませんよね」
さらに同じママ友グループの中には、AさんからFBの「友達」削除をされた人もいた。彼女がAさんの悪口を言っていたと思い込んでいたようだ。
「彼女はショックを受けて食事も喉を通らなかったようです」
以前なら言葉で発するだけだったママ友への批判や本音。文字でSNS上に残るようになり、家で本人が目にすることもある。顔を合わせたら変わらないのに、SNSで突然、友達関係を断たれる。
「会っているときとFB上のAさんのどちらを信じたらいいのか、付き合い方がわからなくなってしまいました」
AERA 2014年9月1日号より抜粋