女児が惨殺された8年前の事件の容疑者が、6月上旬に逮捕された。報道によると、32歳の男の自宅からは、大量の児童ポルノ画像が押収されたという。ポルノと性犯罪について、作家であり、セックストイショップ「ラブピースクラブ」の運営責任者でもある北原みのり氏が、日本の児童ポルノについて考察した。
* * *
よく指摘されることではあるが、日本は児童ポルノに甘い社会である。欧米をはじめとする多くの国では、たとえアニメであっても、また成人女性が児童に「見えるだけ」であっても、児童性愛を許容する表現は児童の人権の観点から許されていない。日本の法律は、ポルノ目的で撮影されている児童を保護するのが眼目である。つまり、「児童性愛」という「ファンタジー」は、市場として受容され、守られ、消費され続けているのだ。
私は、セックスグッズ産業で20年近く働いてきた。私自身がセックスの欲望を扱う仕事をしているため、ファンタジーとしての欲望には寛容でありたいと思う。が、それにしても、この国のロリコン市場の広まりや巨大さには、言葉を失う思いだ。
現在、セックスグッズ産業は年間300億円市場と言われている。その約7割の売り上げを占めるのが、男性用マスターベーショングッズだ。中でも売り上げを伸ばし続けているのが、「ロリコン系」である。