女子にとっての「学歴」は、男子にとってのそれとは違う。働く女性なら一度や二度は、そう感じたことがあるのではないだろうか。

 今年出版された話題の新書『高学歴女子の貧困』には、女子が「高学歴」ゆえに不利益を被ったり、幸せになれなかったりする現実が描かれている。

 共著者の一人で、一橋大学非常勤講師の大理奈穂子さん(40)が“非常勤”で働くのは、今年で6年目。大学教授などにつながる正規職に就くには、先輩教授などからの推薦が必要だが、そもそも正規職ポストが少なくなる中で、女性にはなかなか声がかからない。この4月にも、同僚男性は非常勤を脱出したのに……。

「正規職登用の優先度は、既婚男性、独身男性、独身女性、既婚女性の順。一家を支える既婚男性は優先して正規職にしなければという不文律があります」

 女性が避けられるのにはわけがある、と大理さん。評価の基準は、業績や成果ではなく、男性中心のコミュニティーに染まれるかどうか。ノミ(飲み)ニケーションに付き合わないし、反論もするような女性は、男性からすればコミュニティーに入れたくないのだという。

「高学歴女子は正論を吐くし、不正も正す。男性上司にとっては簡単には丸め込めない存在で、敬遠されるのでしょう」

AERA 2014年6月16日号より抜粋

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