ローザンヌに向けてコンクール用の稽古を加えたのは、高2になってからだ。昨年は高1の時の骨折のために出場を見送ったという。

 二山さんを指導する、白鳥バレエ学園の塚田みほりさんは彼の強みを、

「とにかく練習熱心で努力家。性格もやさしく素直でどんどん吸収していく。人に言われて練習をするような子に優勝はできません。身体的な点では、身体能力がとても高い。筋力が普通の男の子よりも強く、女の子より柔軟性がある。両方を兼ね備えています。それと、(バレエダンサー向きの)まっすぐな体のラインに恵まれた体形の持ち主です」

 住む地域や所属するバレエ団の規模によらず、ローザンヌは本人の才能と努力次第で世界への扉を開く。ローザンヌでの取材経験があるジャーナリストの清野由美さんは、「野球でいえば、リトルリーグから大リーグに行くようなもの」と言う。

 なぜこのコンクールで日本人が強いのか。清野さんは、

「日本人は感情表現が圧倒的にうまい。しかもコツコツ努力することを厭わない。今やローザンヌの出場者は日本人が“供給源”。スポンサーがつくわけでもないですから、ヨーロッパ人の出場者はほとんどいません。日本では女の子の習い事としてバレエが人気ですが、欧米ではお稽古という考えがない。習うならコンクールではなくプロを目指します。育成に重点を置いたローザンヌは、努力を惜しまない日本人と相性がいい」

※AERA 2014年2月17日号より抜粋

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