石破茂幹事長、河村建夫選対委員長、山本一太沖縄・北方相、田村憲久厚労相、衛藤晟一首相補佐官……。勝ちを見越して続々送り込んだが、自主投票の公明党とのきしみが逆に顕在化する結果に。地元記者も証言する。
「自民党系の政治団体が新顔について事務所を構え、電話作戦を展開したんです。何度も期日前投票を呼びかけて◎、○、△、×と色分けするから陣営もすっかり信用した。報道各社の情勢調査では現職有利でしたが、電話作戦のサンプル調査では僅差で、『これは行ける』とぬか喜びしたのです」
名護市長選投開票日の19日、東京での自民党大会は、ゲストの松崎しげるが「愛のメモリー」を熱唱するなど、お祭り騒ぎだった。派閥領袖の一人は、
「名護も我が方がいけるんじゃないか」
とうそぶいたが、結果は大敗。沖縄の混乱が東京に伝染した。小泉氏の次男の進次郎復興政務官が、「(舛添氏を)応援する大義はない」と断言したのを始め、脱原発派の河野太郎衆院議員も舛添氏が自民党を除名された経緯から「『自民党が支持している舛添要一氏』という言及は、正しくない」と主張。同じ脱原発派の秋本真利衆院議員は朝日新聞に「細川氏が発表する政策が我々の政策と合えば、積極的に支援したい」と答えた。
●「脱原発」争点化は半々
舛添氏の元妻、片山さつき参院議員に至っては、安倍晋三首相に舛添氏の応援を直接頼まれたのに、条件を突きつけた。
「舛添氏は、障害をお持ちのご自身の婚外子の扶養について係争になっており、これをきちんと解決していただくこと」「実姉への扶養義務の問題も過去にさかのぼってある」
舛添氏は会見で説明したが、解決は容易でなさそう。
都知事選で何を問うべきか。インターネット調査会社ミクシィ・リサーチの「チャオ」を通じて、告示直前の22日、20歳以上の都民500人にアンケートを行い、男性306人、女性194人が回答した=図参照。
政党支持率は自民23.4%で、他党は全部3%以下(支持政党なし57.0%)で、「自民1強」は昨年より強まっている。
都知事選で脱原発を争点の一つにすることの賛否を問うと、「賛成・どちらかというと賛成」は、「反対・どちらかというと反対」とほぼ同じだった。
細川氏の選挙事務所には自身が揮毫した「桶狭間」が掲げてある。奇襲攻撃が成功するかどうかは、やはり細川=小泉連合が「原発」を争点としてどう盛り上げるかにかかっている。
※AERA 2014年2月3日号