つまり、河合氏らの決断で「脱原発派」の分裂は決定的になった。細川氏がインターネットテレビ「デモクラTV」のインタビューで、

「一緒になることはできない。野合と言われたらかなわない」

 と言えば、宇都宮氏も、

「原発だけで一本化というのはあり得ない」

 と態度を硬化し、23日の告示後は、両陣営の非難合戦は苛烈さを増している。

 細川氏を勝手連的に支援する民主党の中堅国会議員は、こうため息をついた。

「『脱原発』のワンイシューで戦うのに、脱原発候補が複数いるのは痛い。しかも、連合東京が舛添要一元厚生労働相(65)に付いてしまった。このままなら『宇都宮氏と一本化してたら舛添氏に勝てたのにね』という結果になりかねません」

 けれども、細川陣営の雰囲気は明るい。関係者はこう話す。

「基本的には上り調子の細川と、下降傾向の舛添だ。もう相手の背中は見えている」

 戦上手の小泉氏と組んだことが、安心感を生んでいるのか。「殿ご乱心」と批判された細川氏は、それを逆手にとって、

「ご乱心でなきゃ、こんなところ出てこない」

 とアピール。第一声でも、

「原発ゼロという方向を明確に打ち出して、自然エネルギー大国・日本を打ち出していく」

 と演説の8割を「脱原発」に充てた。横に並んだ小泉氏は、往年の「小泉節」を炸裂させた。

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