授業中に友だちとおしゃべり。漫画を読み、立ち歩く――。学級崩壊の主犯は、成績優秀な「受験組」? 都心で学校が荒れる背景を探った。
「毎年、授業が成立しなくなるクラスが出ています」
こう話すのは、世田谷区に住む専業主婦の女性(46)だ。長男は小学校5年生。今、学年全体が、授業に集中できない状態だという。中でも一番ひどいクラスの“主犯”は、難関校に高い合格実績がある有名塾に通う男子3人組だ。当初は、彼らがしゃべったり、堂々と漫画を読んだりしていただけだったが、その影響を受けたのか、次第に女子の言動も問題になった。担任教師に「ふざけんなオヤジ」などと言うようになったのだ。この女性は、ため息交じりに話す。
「子どもたち曰く、騒ぐのは“授業に工夫がないから”。返す言葉がないですよね」
大手の塾では、クラスは試験成績で振り分けられ、上位クラスは看板講師が担当する。もちろん面白くて、分かりやすい。そうした引き込まれる授業を知っている児童たちにとって、“工夫がない”と感じる授業を黙って、静かに受けろというのが、無理な話なのだろうか?