猛暑が続く今日このごろ、アイスが恋しくなってくる季節がやってきました。そこで今回は、ご当地アイス食べ歩きレポートだ。ご当地アイスとは、その地方でしか食べられない「地アイス」のこと。調べてみると、あるわあるわ、首都圏でもチャレンジャーな変り種アイスが各種存在していた。
というわけで6月のある平日、高速道路のサービスエリアや道の駅などに点在する、未来のヒットアイスに出合う旅に出発。この日の目標は10ソフト。朝ご飯抜きでひとり車に乗り込み、まず目指したのは埼玉エリアだ。猛暑が有名なせいか、ユニークなご当地アイスも多い。
1食目は、茨城県と埼玉県の境にある「道の駅ごか」の竹炭ソフト。地元の牧場でとれた牛乳と竹炭を混ぜた真っ黒なビジュアルも強烈だ。竹炭は整腸作用があるそうで、これからソフトを食べまくる身にもおあつらえ向き。わずかに炭のシャリシャリ感が残るさっぱり系で、ペロッといける。
ここから1時間半ほど走り、埼玉県熊谷市の「道の駅めぬま」では、地元の長ネギを使った「ねぎらいジェラート」をいただきます。ネギ+ライチの意味だが、ネギの辛みやにおいがライチ風味に薄められて、一風変わった大人のライチアイスの味わいに。
続いて、秩父方面に下道を2時間爆走。涼しい風が吹き抜ける「道の駅あらかわ」の隣にある茶屋で、行者にんにくソフトを堪能する。行者ニンニクとは、葉っぱにニンニクの香りがあるネギ属の植物。その緑のソースをたっぷりかけたソフトに、しょっぱいニンニクラスクをウエハース代わりにつけて食べると、これはもう非スイーツ。つまみにもなりそうな不思議なソフトクリーム体験ができる。
こうして立て続けに3ソフト完食。アイス好きゆえ、何個でもイケると思い込んだのが間違いだった。「胸焼け、もたれ、むかつき」という、胃薬のCMみたいな症状に。「残りはスタッフがおいしくいただきました」とテロップを出したいところだが、なんせ一人。途中胃薬を調達して、関越道などを2時間北上。やっと4食目、関越道・赤城高原SAの「トマQソフト」にありつく。
キュウリとプチトマトがそのまんまトッピングされた、サラダみたいなソフト。アイスもトマトの素材の味がもろ生きていて、しかもキンキンに冷えたキュウリが、不思議とよく合う。
「休みの日は混むので、複雑なトッピングはできない。なんで、そのままのせました」
お店の人の欲のないコメントもいい。すっかりリフレッシュして関越道を南下。きなこの銘菓と黒蜜をトッピングした「五家宝ソフト」(高坂SA)にたどり着いたあたりで、日が暮れてきて時間切れ。えー、ハンドルはべとべとになったけど、目標の半分じゃん。
※AERA 2013年7月22日号