米大統領選は、オバマ大統領が続投を決め、「祭り」は終わった。しかし、ヒラリー・クリントン国務長官(65)は4年後の祭りの中心にいる可能性がある。

 11月、米大統領選の投開票日まであと数日というオバマ氏の選挙集会。大統領を2期務め、尊敬をこめて今でも「プレジデント・クリントン」と呼ばれるビル氏が、オバマ氏を「マイ・プレジデント」と呼んだ。

「4年前の大統領予備選で、オバマ氏と妻のヒラリー氏が競い合った時を思い出すと、考えられない光景ですね」

 と指摘するテレビキャスターらのコメントを聞く誰もの頭をよぎるのが、2016年大統領選にヒラリー氏が再度立候補するのでは、という思いだ。

 民主党は今回のオバマ再選を確実にするため、勝敗を決するといわれる激戦州の中西部オハイオでは4年前の1期就任直後から、再選「マシン」、つまり票集めのシステムを築き上げた。民主党の戦略家がヒラリー氏を次期大統領候補と想定し、うごめき始めてもおかしくない。

 最大の問題は、ヒラリー氏が立候補を決断するかどうか。一番の懸念は16年に69歳になる年齢だ。

 9月に訪中したヒラリー氏に対し、中国の戴秉国(タイピンクオ)国務委員は夕食の席でこう語りかけた。

「大統領になるとき、あなたはまだお若い」

 WSJによると、ヒラリー氏は笑って受け流したという。

 4年後をにらんでか、オバマ氏を全面支援したビル氏はテレビのインタビューで、

「(立候補するかは)全く知らない」

 と答えている。

AERA 2012年12月3日号