育児が峠を越し、時間に余裕も出てくる40代。そのころから、再び働きたいと考える主婦が増えている。しかし、年齢階層別の労働力率は、20代後半から30代が伸びているにもかかわらず、40代は10年前と比べてもほとんど変化がない。
これについて、近著に『主婦が、仕事を、探すということ。~高学歴40代妻たち、涙と笑いの再就職戦線~』がある編集者の望月恭子さんは、こう断じる。
「再就職を妨げているのは、彼女たち自身のプライドです」
失敗し続ける主婦の典型例は、こんな具合だという。
ハローワークは失業者が行くところと見向きもしない▽新聞に載るレジ打ちや軽作業といった求人は大卒の自分がやる仕事ではないと無視▽派遣会社には「高時給で子供の帰宅前に終わる仕事」「保護者会の日は休みます」と注文をつける▽やりたい仕事が決まらないままに資格の勉強を始め、挫折……。
いまの40代は、86年施行の男女雇用機会均等法の「第1世代」。男性中心の職場に風穴を開けてきた自負も、キャリア意識も高いという。皮肉にも、その心持ちが再就職の壁になる。
「高学歴、高キャリアだと逆に扱いづらそうと敬遠する会社もあるぐらい。『上から目線』は無論、NGです」(望月さん)
※AERA 2012年11月12日号