「中国当局は、新型コロナウイルスの感染拡大が鈍化していると発表していますが、いまだに多くの人が自宅で強制隔離を余儀なくされています。食料品や医薬品が滞り、配給すらない。餓死するか病死するのを待つしかない状態。これは独裁体制下の人災です」
こう憤るのは、中国出身で2012年に日本国籍を取得した作家の楊逸さんだ。08年、「時が滲む朝」で、日本語を母国語としない外国人として初めて芥川賞を受賞した。
楊さんはユーチューブに自身のチャンネルを開設し、在米の中国人メディアなどから得た中国内部の情報を日本語で発信している。本誌の取材に対し、語った。
「(武漢のある)湖北省には50カ所ほど火葬場があり、2月に入ってから24時間稼働しています。それでも足りず、移動火葬車が40台ほど出動したと報道されています」
こうしたことから、楊さんは当局が発表する新型コロナウイルス感染による死者数が少なすぎると疑問視している。