訴訟を決めた人たちは、未来の職場のため、医師を目指す後輩たちのために闘っている。それは自分たちの将来を左右する大きなものとの闘いになるかもしれない。その勇気は、あまりに尊い。
それに対して……医学部の言い分は本当に、今の政権並みに雑で筋が通らないのだ。例えば聖マリは、「さかのぼっての調査はしない、なぜなら資料は捨てたから~」と開きなおる。順天は「おれたち私学なんで、差別も裁量の範囲でしょ~」と開きなおる。昭和に落とされ現在訴訟中の女性は、点数調整をしてもなお上位にあったことが裁判で明らかになったのだが、これに対し昭和は「彼女は一律の性差別の対象になっているわけじゃないので差別してない」と言い出した。一番しちゃいけないところで安倍さんのまねをしないでほしい。
入試差別を肯定する人は、「女性は妊娠・出産でやめるから」と、まるで女性に非があるとでもいうような理由を堂々言うものだが、だったら、もう女から生まれるのやめたら?と言いたくもなるよ。
文科省は厳しく医学部の調査をするべきだ。本当にこれ以上、差別に慣れたくないし、安倍さん話法にも慣れたくないのだ。
※週刊朝日 2020年2月21日号