国会で記者団に囲まれる河井案里議員 (C)朝日新聞社  
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夫の河井克行前法相 (C)朝日新聞社 
夫の河井克行前法相 (C)朝日新聞社 
河井案里参院議員の選挙対策本部で働いたAさんの携帯電話に残された着信履歴(画像の一部を加工しています)>>【留守電メッセージの音声データはこちら】
河井案里参院議員の選挙対策本部で働いたAさんの携帯電話に残された着信履歴(画像の一部を加工しています)

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【音声データ入手】Aさんの携帯の着信履歴と案里議員の留守電メッセージはこちら

 自民党の河井案里参院議員(広島選挙区)の陣営が昨夏の参院選で車上運動員らに法定上限を超える報酬を支払ったとされる疑惑で、安倍晋三首相は27日、国会で「ご自身が疑惑の原因を作ったのではないか」と野党から追及された。党本部が通常の10倍となる1億5千万円もの選挙資金を河井陣営に提供したから公選法違反疑惑を招いたという理屈だ。 

 昨夏、案里議員の選挙対策本部を仕切ったとみられる夫の克行前法相は当時、首相補佐官。河井夫妻への異様な肩入れぶりを国会で追究された安倍首相は「私の秘書が、私の指示によって応援に入った」と山口県の地元事務所の秘書が案里議員の選挙を応援したことを認めた。

 しかし、その案里議員が選対スタッフに”口裏あわせ”を要求したという新たな「疑惑」が本誌の調べで明らかになった。

「年末から1月にかけて、案里議員サイドからすりあわせを求める接触が何度もあり、困惑している」

 こう語るのは昨夏、案里議員の選対でスタッフとして働いたAさんだ。記者に自身の携帯電話の履歴を見せてくれた。その中には案里議員からの着信もあった。

 案里氏は国会で20日、記者団に「(秘書らが)誰がいつどのように呼ばれているかは一切知らされていない。弁護士の助言もあり、秘書との事件についての接触は一切行っていない」と述べていた。

 Aさんはこう続ける。

「『秘書との事件についての接触は一切行っていない』という彼女の説明はまったく違います」

 Aさんの携帯の着信履歴には、昨年12月23日から案里議員、その秘書、克行議員の元秘書らの名前が並んでいた。

「広島地検から呼び出され、事情聴取されて数日後。克行議員の秘書のMさんから電話が入りました。12時38分と13時29分の2回でした。そして、同じ日の夜、私の親族に案里議員が19時45分に連絡。その後、Mさんが20時8分に電話してきた」

 Aさんはすでに広島地検の取り調べを受けていたため、余計なことに巻き込まれたくないと、電話には応答しなかった。だが、取り調べの状況など詳しくは知らないAさんの親族は、Mさんからの電話に応答したという。親族はこう証言する。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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