給料や年金はあまり増えないのに、消費増税もあって生活は苦しい。私たちは節約術で対抗するしかなさそうだが、見逃せないのがポイント還元だ。
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クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレスで決済するとポイントがもらえる制度は、6月30日まで続く。中小の小売店や飲食店なら5%分、コンビニや飲食チェーンなどでは2%分が戻ってくる。毎日の買い物で積み上げていくと、月数千円は節約可能だ。
低所得世帯向けのプレミアム付商品券や、次世代住宅ポイント制度などは原則3月に終了する。消費増税の負担緩和のためだと称するこれらの制度は、政府が強制徴収した私たちのお金を配っているようなもの。取り忘れないようにしたい。
政府は9月から、マイナンバーカードを持つ人へのポイント還元(マイナポイント)を始める。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんはこう助言する。
「少しでも負担がやわらぐのならカードは作ったほうがいいですね。写真入りの身分証としても使えます。身分証が必要なサービスはほかにも増えています」
医療や介護などの自己負担は増える傾向で、高齢者にとっては厳しい状況だ。身近なところでは、7月からプラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられる。エコバッグなどを用意して出費は少しでも抑えたい。金融機関でも一定期間出し入れがないと、年間1200円程度の口座管理手数料をとるところが増えている。携帯電話の店舗などでも、相談するだけで料金をとるところも出てきた。
ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、こうした動きは広がるという。
「今までタダだったものが有料になるケースが増えるでしょう。人手不足もあって、店頭で無料相談に応じてもらえなくなるかもしれません。どこでもネットでのサービスを充実させているので、苦手意識があっても慣れておきましょう」
相続やお金の手続きも変わる。残された妻が自宅に住み続けられる「配偶者居住権」の運用が4月から始まる。自筆の遺言書を法務局に保管する制度も7月10日に始まる。紛失や改ざんの恐れがなくなり、家庭裁判所のチェックを受ける「検認」も不要だ。さかのぼってお金を請求できる期間は「原則5年」になる。
国や企業は私たちの暮らしに関わる仕組みを、ころころ変えてくる。本誌やネットで情報収集し、後悔しないようにしてほしい。(本誌・池田正史)
※週刊朝日 2020年1月17日号