ゴーン被告は保釈にあたってパスポートを弁護士に預け、日本国内にとどまると約束していた。仮にパスポートがあっても、出国は不可能だ。
「入管に問い合わせたところ、ゴーン被告ほどの著名人なら見逃すことはないと言っている」(前出・検察幹部)
海外メディアの報道を総合すると、ゴーン被告は12月29日~30日にかけてトルコからプライベートジェットで、レバノンに到着したという。
どのようにして、日本を出国したのか?
「ゴーンさんには様々な友人がいます。。レバノンでは大統領にと声があがるほどの人物です。おそらく、レバノンなどの政府の外交特権を駆使して出国させたのではないでしょうか。パスポートを偽造するなど、法を犯すことはあり得ない。なぜなら、ゴーンさんは『私が悪い、悪くないではない。日本の司法制度、民主主義と対決だ』とも言っていました。戦いのためにあえて、日本脱出を選んだのでしょう」
元東京地裁検事の郷原信郎弁護士はこう話す。
「公判前の被告人に海外逃亡されて声明まで出された。検察にとっては、まさに赤っ恥。ゴーン氏の事件、東京地裁の捜査はひどいの一言でしたから。ゴーン氏は業を煮やして強硬手段に出たように感じます。日本政府が要請して、ゴーン氏の身柄をレバノンから戻すということは、おそらく難しいでしょう。ゴーン氏は自由の身になったことで、自身の事件だけではなく、日本の司法制度の根幹がいかに問題か、徹底して訴えてくるはずです。そうなれば、検察はゴーン氏の有罪無罪どころじゃなくなりますよ」
ゴーン被告の広報担当者が発表した声明の全文は以下の通り。
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私は現在レバノンにいます。もうこれ以上、不正な日本の司法制度にとらわれることはなくなります。日本の司法制度は、国際法・条約下における自国の法的義務を著しく無視しており、有罪が前提で、差別が横行し、基本的人権が否定されています。私は正義から逃げたわけではありません。不正義で、政治的な迫害から逃れたのです。やっと、メディアのみなさんと自由にコミュニケーションを取ることができます。来週から始められることを、楽しみにしております。
ゴーン被告の逆襲から目が離せない。(本誌取材班)
※週刊朝日オンライン限定記事