さらにAさんが浪人を強いられたことについても、「Aさん自らの意思で浪人を選択して、第1志望に入れたのだから、その1年は決して無駄じゃないし、何ら損害は生じていないでしょ」とも言い切った。差別しておいて、いきなり自己責任論だ。東医によればまるでAさんが自然災害にでもあったような言い分である。実際、東医の弁護士は「試験は水物」とも表現している。
順天堂大は残酷だった。差別入試も「裁量のうち」と。私学なのだから自分たちの基準で決めて何が悪い、とでも言うような態度だ。だったら税金投入させるのをやめてほしい。
とけている。言葉も、良心も、道理も筋も。人の痛みも悔しさも、アベさん的言語を駆使する人たちには、もう、見えないのだろうか。
※週刊朝日 2019年12月20日号