天皇、皇后両陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」が10日午後3時から始まる。26年間、雅子さまを追っかけてきた女性たちにとっても、かけがえのない記念日となる。
記者は雅子さまを26年間追っかけてきた白滝富美子さん(78)と、パレードのコースになっている青山通りを下見して歩いた。白滝さんは、こうつぶやいた。
「めいどの土産だよ。だから、どうしても撮りたいんだよ。とにかく、これが最後だから。あとは雅子さまのパレードというのは見れないかもしれない」
白滝さんが選んだ撮影ポイントは東京都港区の赤坂警察署前の青山通り辺り。
「中央分離帯の植込みが低くて、絶好だと思います」
白滝さんが雅子さまの追っかけを始めたのは1993年1月の両陛下の婚約発表から。3年前には、左官業の夫が亡くなった。雅子さまが16年前、ご病気になられ、ご公務を休むようになってからは、追っかけの活動を一時休み、仕事に出るようになった。いろんな思いがあるだけに、「もし、撮れなかったりしたらお先真っ暗だよ」(白滝さん)と真顔で言う。
パレード前日の9日には、おっかけ仲間、4人でホテルに泊り込んだ。
「ホテルでは寝れないよ。うかうかしていられないから、2~3時間寝られればいい。始発電車が走り出す前には、張り込み場所の様子を見に行くつもりです」
雅子さまは午後3時に赤坂御所を出発。両陛下の乗ったセンチュリーのオープンカーは時速10キロくらいで、ゆっくり走るという。
「目の前を車が通るのは一瞬だよ、一瞬。26年前のご成婚のパレードの時には、ちょうどいい場所に入れたから良かったけれど、警備の人の陰になって撮れない場合もある。だから、いい場所で撮りたい」
撮影できるか否か、不確実だが、26年間追っかけの活動をしている50代の主婦、吉田比佐さんとパレードの前日、リハーサルを兼ねてコースを歩いた。吉田さんはこう、ホツリとつぶやいた。