作家の室井佑月氏は、「即位の礼」などに関する安倍首相の振る舞いについて意見する。
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「即位の礼」に伴い安倍首相が、“テレビジャック”をした。ワイドショーではこの期間、どの番組をつけても安倍首相が映っていた。
安倍首相夫妻が主催する晩餐(ばんさん)会、首相と各国元首ら62人とのマラソン会談。テレビでは途中から、主役が完全に入れ替わった。
安倍首相のことも有り難がれって? 馬鹿らしい。通訳も入れて10分から30分の会談になんの意味があるというのだ? ようするに、天皇の威を借りた(天皇の名を出して税金も使った)、安倍首相のパフォーマンスを見せられたわけだ。
開催が11月10日に延期されたパレードには、安倍首相らまで参加するという。平成のパレードから、自民党本部前を通るというルートに変えて。
だいたいパレードが延期されたのは、台風被害に遭った人を考慮してだ。そういうことを考えれば、ラグビーや皇室行事に絡めたお祭り騒ぎ、この人はなんなんだろうかと思う。
というか自分たちのことを右翼、もしくは保守だといっている人たちは、天皇の威を借りてしゃしゃり出てくる安倍首相に「不敬だ」と怒らないのか? 天皇陛下万歳といいながら、皇居の敷居を思いっきり踏んでいるあの人に。
というか、皇室を政治に利用することは許されないことである。それがいつの間にか許されているかのようになっているのが恐ろしい。安倍首相は堂々と皇室を利用している。
皇室の儀式を国事行為とすることが、憲法の政教分離原則違反である、などと固いことをいうつもりはない。ほかの宗教と皇室は、国民の捉え方もちょっと違っている。
災害が起こった場所の避難所を陛下が訪れれば、感動の涙を流す人がいる。
海外の要人のおもてなしは下品な政治家夫婦にやらせるより、よほど安心して見ていられる。
しかし国民の信頼が皇室にあればこそ、時の政権が皇室を自分たちのもののように扱うことは、絶対にあってはならないことなのだ。