可憐な姿が「奇跡のアラフィフ」の代名詞になっている石田ゆり子さん。平野啓一郎原作の映画「マチネの終わりに」で、福山雅治演じるギタリストと恋に落ちるジャーナリスト・洋子を演じた。「洋子を演じられて幸せだった」と語る石田さんに、仕事や美の秘訣について聞いた。
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──平野啓一郎さんの原作を先に読まれていたのでしょうか。
はい。文章が本当に美しく、五感全部を使って読む小説だなって感じました。これはきっと映像化されるに違いないと感じて。そしてもしそういうことがあるのであれば、自分が洋子をやってみたいと思っていました。
──実際にその話が来たときの気持ちは?
それはとても幸せでした。
──洋子というキャラクターは、石田さんご自身と比較して似ている点や違っている点はどこかありましたか?
役というものは、そもそも自分ではないので、あまりそういうことは考えないんです。だけど、洋子さんは言葉がすごく美しい方で、主語と語尾がとてもハッキリしていて、あいまいでなくきっちりしゃべるところが私はとても好きで。自分が思っていることをちゃんと自分の言葉で伝える人なんです。自分の行動を自分で責任をもってできているところが素敵ですよね。そういうところは私も常日頃目指しているところなので、そこは共通しているのではないでしょうか。
──今回の作品で大変だった点は?
今回は、英語やフランス語のセリフが多かったんですね。それを覚えるというのが、私にとってのミッションでした。特にフランス語のセリフを覚えるのが大変でした。(テロによりエレベーター内に閉じ込められ、フランス語で助けを求めるシーンも)最初は本当に覚えられるんだろうかと思うぐらい長いセリフでした(笑)。しかも長いセリフのうえにワンカットでのシーン、最初から最後まで一気に言わないと私の気持ちもつながりません。それを何回もいろんな角度から撮ったのですが、ただ、何を言っているのか、どの言葉がどの単語かということが、私とフランス語の先生以外、誰もわかっていないということはありました(笑)。