さらに路上ランウェイを歩いた感想を求められると、「いつも高校生のときから遊んでいたこの渋谷のストリートに、ドーンと赤いカーペットを敷いて、みなさまと『渋谷の街って最高だよね』と思える時間があって、ほんと楽しかったなと思います」

 また今回のイベントは、「主演映画『蜜蜂と遠雷』の特別ステージ」(松岡さん)という位置づけ。ランウェイのバックには、映画のなかで主人公がクライマックスでひいたというピアノ曲が、オーケストラの生演奏で流れた。ショー終了後のインタビューでは、「渋谷の街でオーケストラが音楽を弾くのも珍しかったけど、聞いてみていかがでしたか?」と、彼女から司会者に逆質問する場面も。続いて主演作のアピールもぬかりない。

「オーケストラの奏でるクラシックって、すごく耳なじみがいいですよね。いつもみなさんが聞いているのは、ヒップホップとかR&Bとかかもしれませんが、クラシックって私たちの心に深く染みこんでくるようものがあると思うんですね。今日聞いてみて、クラシックをもっと聴いてみたいなとか、クラシックって意外とタテノリできるんだなって思った方は、ぜひ劇場にきて、コンサートに行ったような思いで、映画をみてもらえたらうれしいなと思います」

 最近は、是枝裕和監督の映画「万引き家族」などの演技で映画賞を総なめにするなど、大女優への道を着実に歩む。またバラエティなどで、物怖じしないしゃべりのうまさも注目されている。一方で、出演映画の完成披露試写会でしゃべりすぎ、共演者から「(司会の)仕事を取るんじゃない!」とツッコまれたことがニュースになるなど、しっかり者の気遣いが、かえって足を引っ張ってしまう逆風も吹き始めている。

 広瀬アリス、二階堂ふみ、有村架純、吉岡里帆、高畑充希など、人気女優が渋滞するポスト黄金世代の一角。団塊世代には変わった人が多いのと同様、そのなかで埋もれないように、あえて狙ったキャラなのか。へんにぶっちゃけるところも裏目になっている。

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