曺国前法相を巡る疑惑は周知のとおり。現在の捜査の焦点は、娘の不正入学疑惑と私募ファンドへの不正投資疑惑だ。不正入学疑惑では大学教授である妻が「私文書偽造」の疑いで在宅起訴されていて、辞任当日に私募ファンド不正投資疑惑などについて検察で5回目となる取り調べを受けた。

「夫人逮捕も間近と言われていましたから、傷が浅いうちに辞任に動いたとも言われています」

 辞任翌日、「夫人が脳腫瘍(しゅよう)と脳梗塞(こうそく)の診断を受けている」と進歩系雑誌記者が暴露。「これが辞任の直接的原因では」とも語ったが、「診断書の信憑(しんぴょう)性を疑問視する声が上がっている」(冒頭記者)ともいう。

 曺国前法相の辞任後、文大統領は謝罪。しかし、曺国前法相については、“検察を改革した初めての大臣”と評価した。

「与野党共に目下の目標は来年4月の総選挙と2022年3月の大統領選での勝利です。進歩派にとって曺国氏ほど人気のある人材はいない。一丸となって守りたいのです」(同)

 曺国前法相は辞任翌日、ソウル大学に復職している。

 曺国氏を法相に強行任命して文大統領のレームダック(死に体)化は始まったとされ、「これからは加速する一方」という見方がもっぱらだ。(韓国在住ジャーナリスト・菅野朋子)

週刊朝日  2019年11月1日号

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