進学費用が高いから奨学金を利用したい、でも、借りれば借りた分だけ返済で苦しむの? 親に負担をかけたくないと悩む受験生を救うのが、給付型の奨学金だ。国や自治体、企業、大学独自のものまで探せばたくさんある。きちんと知って、孫の大学進学をかなえよう。
■「給付型」奨学金の種類は大きく分けて四つ
日本学生支援機構「学生生活調査」(平成28年度)によると、私立大学に進学した場合、4年間の平均学費は文系で約430万円、理工系では約548万円もかかる。このほか入学金や、遠方の大学に通う場合は家賃や生活費も念頭に置かなければならない。経済的な事情から、進学をためらっている高校生も多いだろう。そんな人にぜひ利用してほしいのが返済義務のない「給付型」の奨学金だ。2020年4月からは、国の施策として、日本学生支援機構の「給付奨学金」が拡充されることになり、受給対象者の枠が広がった。これから大学進学を目指す学生に、ぜひ利用してほしい奨学金だ。
給付型の奨学金は、ほかにもある。種類は大きく分けて、(1)日本学生支援機構の「給付奨学金」(前述)、(2)各大学が独自に設けている奨学金、(3)民間企業や財団法人などの奨学金、(4)地方自治体の奨学金の四つがある。募集対象や受給条件はさまざまなので、広く調べて、情報をキャッチすることが大切だ。
■予約型の奨学金を狙おう
給付型の奨学金をもらう際、もうひとつ覚えておきたいのは「予約型」というシステム。これは、受験する前に給付型奨学金を申し込むというもの。申請すると、受験前に審査がおこなわれ、奨学金がもらえるかどうか確定するので、入学前後のマネープランが立てやすいというメリットがある。従来の奨学金は、大学に入学した後に募集がおこなわれるものが多かったため、奨学金がもらえるか決まるまでは、お金の不安が大きかった。申請してもダメだった場合、通学を継続することが難しくなる危険もあった。予約型は、そうしたデメリットを解決してくれるシステムだ。予約型で受給資格を得た奨学金は、大学に合格すると晴れて正式採用という形になる。日本学生支援機構のほか、各大学や民間企業等でも実施しているものがあるので探してみるといいだろう。
なお、奨学金は本気で学びたい学生を支援するための制度なので、奨学金をもらう際には、進学する意味や学びたいことを明確にしたうえで、在学中、真摯な態度で学び続けることが大切だ。