動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい猫(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、スペイン・バスク地方の「合図を送る猫(にゃん)」です。
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青い空と青い海、ビスケー湾を望むバスク地方伝統の石造りの家「カセリオ」の屋根を、一匹の猫が軽やかに上っている。それを見ながら、この家はパン焼きのために建てられたとご主人のホルゲさんは言う。猫には名前がない。ホルゲさんが草原に向かうと、猫もついてきた。
ホルゲさんが猫の鳴きまねをすると、猫も鳴く。人と猫が鳴き交わしながら歩いていく。
草丈の高い草原で、猫の姿は見えたり見えなかったりだが、呼応する鳴き声が合図なのだ。ずっと「そばにいるよ」。
デジタル岩合
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※週刊朝日 2019年9月27日号