現場のホテル=撮影/本誌・今井良
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 池袋のホテルで女性の遺体が見つかった死体遺棄事件で動きがあった。
 
 警視庁は、部屋に出入りしていた埼玉県内在住の20代の男が事件に関わった疑いが強いとして任意同行し、現在、事情を聴いている。死体遺棄の容疑が固まり次第、逮捕する方針だ。

 9月12日午後8時半ごろ、東京都豊島区池袋1丁目のホテルから、「シーツにくるまれたものがあり、遺体かもしれない」と110番通報があり、2階の一室から30~40代ぐらいで身長約165センチの女性の遺体が見つかった。

 司法解剖の結果、首の圧迫による窒息死で、足首はビニール製のひもで縛られ、手首にも粘着テープが巻かれている状態だった。

 捜査関係者によると、ポリ袋は布団圧縮袋のような大型のもので、ホテルに備え付けのものではなかったという。男が事前に準備し、持ち込んだ可能性があるのだ。

 捜査本部によると、ホテル内の防犯カメラの画像には、12日午後3時40分ごろ、現場となった部屋に黒っぽい上下の服に、白いマスク姿の男が入る姿が記録されていた。そして午後5時50分ごろに、死亡したとみられる女性が入室。その後の午後7時40分ごろには、男が1人で部屋を出ていたのが確認されていた。

 男は出入り時に黒いリュックとキャリーバッグを所持。女性は「COBRA」と書かれたTシャツに黒いスウェットのズボンを着用。水色のキャップをかぶり、緑色のリュックを背負っていた。室内には26・5センチのスリッポン型の黒い靴も残されていた。女性が履いていたとみられるが、本人のサイズよりも大きめという。室内に争った形跡はなく、女性の帽子とリュックは見つかっておらず、男が持ち去った可能性があった。

 現場はJR池袋駅の北、約400メートル。多くのラブホテルが立ち並ぶ一角だ。

 その後の捜査本部の調べで、女性は江東区に住む36歳と判明。事件の報道を見た親が「自分の娘かもしれない」と警視庁に連絡してきたという。捜査関係者によると、同居する親に「病院に行ってくる」と告げて家を出ていたという。(本誌・今井良)

※週刊朝日オンライン限定記事

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