手術を受けた東大病院を退院する美智子さま (c)朝日新聞社
手術を受けた東大病院を退院する美智子さま (c)朝日新聞社

 乳がんの摘出手術を終えた上皇后美智子さまは、9月10日午後、東大病院を退院した。先導者の腕に身体をすこし預けるようにして、ゆっくりとした足取りで病院の玄関を出た。

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 8日の手術は、乳房を温存する方式で行われ、手術2日後の退院となった。左胸のがん組織と周辺の5センチ程度を摘出。これから1、2週間かけて病理検査を行い、治療方針を決める。

 乳がん診療を専門とする品川ブレストクリニックの嶋本裕院長は、一般的な治療の進め方をこう話す。

「乳房温存術は乳房内の再発を防ぐために、1カ月ほど通院するなどして、放射線治療を併用します。副作用も皮膚炎など軽度なことが多い。ただし、ご高齢の方や術後のホルモン療法が効果的であると判断されるなど再発リクスが低い場合、行わないこともあります。主治医の判断をふまえて、最終的には患者さんが決定することになります」

 美智子さまは手術の翌9日には、食事をとり廊下を歩いている。さらに、11日には、秋篠宮紀子さまの53歳の誕生日を祝う夕食会のため、上皇さまと赤坂御用地にある赤坂東邸を訪れるなど、積極的に身体を動かしている。

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