全財産を故郷、和歌山県田辺市に遺贈するという遺言を残し、去年5月に不審死した『紀州のドン・ファン』こと資産家・野崎幸助さん(当時77)。本誌は田辺市が野崎さんの全財産を調査した内部資料の全文を入手した。
<故野崎幸助氏による遺贈に関する報告書>
と題する、田辺市が作成した全12ページに及ぶ文書。野崎さんの遺言書に対し、どのようにして遺贈を受けるかをまとめたものだ。
報告書によれば、2018年8月9日に、和歌山家裁から通知書が届き、野崎氏の遺言書の存在を知ったという。野崎さんが40年来の知人に預けていた遺言書が弁護士を通じて、和歌山家裁に持ち込まれ、検認手続きが開始されたためだ。その後、野崎氏の遺言書は真正なものと認められ、相続管理管財人の弁護士が選任。野崎さんの相続遺産の算定が進められていた。
「今年7月に裁判所から、財産目録や所有する不動産などの評価額、野崎さんの財産に係るもので民事裁判となっているものなど、詳しい報告がありました。その金額がマスコミ発表した総額13億2000万円です。田辺市では報告を子細に検討して、遺贈を受けるという結論に達しました」(田辺市関係者)
「4000人の美女に30億円をつぎ込んだ」
と著書、『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』(講談社)に記し、総額30億円とも言われた野崎氏の遺産。それが13億円とは少ないと感じた人もいるだろう。そこで、田辺市の報告書を読み解いていくと、
<相続財産>として、野崎氏の保有する資産の一覧が記してあった。
土地、建物などの不動産から預金、株や投資信託などの金融商品、自動車、現金など12項目に及ぶ。例えば、
<土地 約2億2000万円 41筆/42筆 >
<建物 約8700万円 36棟 >
<預貯金 約3億円 7口座 >
<有価証券 約7億円 11銘柄 >
<動産 約1500万円 絵画3点
約 30万円 壺1点 >
<現金 約510万円 >……