西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、鳥谷敬選手に引退勧告をした球団に苦言を呈する。
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阪神の鳥谷敬選手が今季限りでの阪神退団を表明した。球団から戦力構想外の方針を伝えられた鳥谷本人が8月31日、球団から同29日に「引退してくれないか」と言われたこと、そして「タイガースのユニホームを着てやるというのは今シーズンで最後になる」と明かした。
レギュラーシーズンを戦っている最中で、しかもクライマックスシリーズ争いをしている中で、異様な光景に映ったのは、言うまでもない。もちろん、球団というものは来季の戦力を見据えた上で人員整理し、ドラフト会議での獲得状況を踏まえ、外国人選手やFA選手、他球団を戦力外となった選手の獲得をする。9月ともなれば水面下で交渉を行うのは常である。ただね。その交渉というものは決して表に出すべきではない。レジェンドであろうが、なかろうがね。
なぜなら、他の選手に影響を及ぼすこと。「もうすでに首切りが始まっている」となれば、少なからず同じような境遇の者は意識する。今回の報道では、最初に球団の戦力構想外が報道された。球団の人間は、細心の注意を払わなければならない案件である。鳥谷本人が公にしたかったのであれば致し方ないことではあるけど、誰も得などしない。
球団の方々は、チームや野球界に多大な貢献をしたレジェンドには、最大限の配慮をしてもらいたい。どんな選手であっても、戦力外となる時期は来る。ただ、本人の意向をくみ、どうすれば球団に残ってもらえるのか、そういったものを話すのは1度や2度では足りない。何度も交渉を重ねてきて、今回がファイナルアンサーであるのなら、納得ができるけどね。
中日も球団代表が松坂大輔と話し合いの場を持ったという。意思確認の手順を踏むことは悪いことではないが、マスコミに公表すべきものなのか。大輔は引き際を自分で決められる数少ない選手である。球団代表が「現役続行の意思を確認した」と公表する必要はない。球団代表は誰かに向けてアピールしたかったのかな?と思ってしまう。