ビタミンEと一緒にとりたい栄養素は、レバーやうなぎに豊富なビタミンAや、アジやカキに豊富なセレンも挙げられる。
「セレンは酸化した脂質を分解するために欠かせない成分で、強力な抗酸化力があるからです」(同)
鉄分と葉酸が豊富なホウレンソウもビタミンEと一緒にとると良いという。
「ホウレンソウは、ビタミンEが豊富なゴマ油で炒めて。ビタミンCたっぷりのサラダや鰹節をのせた冷ややっこにゴマ油を少し垂らして食べるのもよいでしょう。また、ホウレンソウを食べるときは、卵や肉などのタンパク質を合わせると、鉄の吸収が高まります」(同)
『体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!』(三笠書房)など多くの著書があり、血管の名医として知られる池谷医院(東京都あきる野市)の池谷敏郎院長がすすめるのは、「夏野菜+トマト」だ。それに魚介類を入れるのも良いようだ。
「トマトとオリーブオイルで煮込む『トマトパッツァ』は血管力をつけるレシピです。サバや鮭をトマト缶などで煮込むだけ。簡単です」
オリーブオイルは、抗酸化作用が高い「エキストラバージン」を選ぼう。魚に多く含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸は、血管を広げて血圧を下げたり、血管の弾力性を維持したりする。
加えて、豆やキウイも、院長おススメ食材だ。
池谷医院の2階のキッチンの冷蔵庫には「豆」が欠かせない。池谷医師は、日々、スタッフとともに蒸し大豆を、野菜やヨーグルトに入れて食べている。
「豆類は、食前や間食にとることで、食後の急激な血糖値の上昇(血糖値スパイク)を防ぎ、結果、しなやかな血管を作ることにつながります。また、血糖値が上がりにくい低糖質の果物は、脳梗塞や心筋梗塞のような血管事故やがんの罹患率を下げると言われています」
低糖質の果物は、キウイのほかにパイナップル、りんごなどがある。
もう一つ、池谷医師おススメの「さび止め食」はカレー。スープカレーに蒸し大豆をトッピング、それをもち麦ごはんで食べるそうだ。これにトマトジュースをプラスすれば、これこそが血管名医直伝「血管若返りレシピ」だ。(本誌・大崎百紀、岩下明日香)
※週刊朝日 2019年9月13日号より抜粋