「死ぬまで働かなきゃいけないと思っていますよ。そのためにも健康を維持しようと、なるだけ歩くようにしています」

 いきがい、年金ちょい足し、引きこもり防止、切実……。働く目的は人によってさまざまだが、シニア再就職アドバイザーの日下部さんは、選択肢が増えている今、キャリアリセットが終わった人はどんな形にせよ、社会と関わり続けたほうがいいと言う。

「現役バリバリ時代を『ファーストキャリア』、50代で管理職が終わってからを『セカンドキャリア』とすれば、65歳超の働き方は『サードキャリア』とでも言えるものです。それまでできなかったこと、やりたかったことを、思いっきりできるチャンスですよ」

 では、これから始める人はどうすればいいのか。

 日下部さんは、履歴書をつくりながら、まず自らの「歴史」の整理をすることを勧める。

「整理したうえで、これから自分はどうしていきたいのか、自分がやりたいことは何なのかを考えるのです。マネープランでお金が足りないことがわかったら、いくら必要なのか、そのためにはあと何年働けばいいのかも、あわせて考えてください。スタートする前に、まず自分が置かれた立場を再確認しましょう」

 長く働く必要があるのなら、そうした仕事を探さなければならない、太く短く短期間で勝負したいのなら、本当に好きなことにチャレンジすればいい、といった具合だ。

「それでも基本は、やはり長く働ける職を探すことでしょうね。70歳をすぎると新たに雇ってくれない職でも、60代から始めておけばおそらく70歳を超えても続けられます」

 例えばマンション管理員。日下部さんによると、5年ほど前に73歳まで働ける会社が出てきて業界で驚かれていたが、今では80代でも働ける会社も登場しているという。自分のやりたい分野で長く働けそうな職があれば、最高にハッピーだ。

 では、どこで探せばいいのか。

 日下部さんによると、「教え子」たちが職探しをしたベスト3は、(1)ハローワーク、(2)新聞の求人欄、(3)新聞の求人折り込みだった。新聞がらみが情報源になっているのは、その年齢ゆえだろう。求人折り込みは地域ごと、エリア別で見る人が限られるため、応募倍率が低くなる傾向があるとのことだ。

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