本来のアルファベットと見た目が紛らわしい別の文字を使い、東京五輪に関係があると誤認させることを狙ったとみられるドメインが取得されていることも早稲田大学・森達哉教授の研究室の調査で判明している。
発見した大学院生によると、このドメインには「tokyo2020」という文字列が含まれ、「tokyo」のoの字が、ローマ字の長音などに使われる長音符号つき文字のoになっていたという。
紛らわしい文字で人をだます手口は「ホモグラフ攻撃」と呼ばれている。「a」をロシア語で使われるキリル文字の「а」にしたり、「m」に見せかけるため「rn」の2文字を使ったりといった方法がある。
米国のグーグルのドメインでは115もの例が見つかっていて、このうち17個がフィッシング詐欺のサイトに使われていたという。
組織委は6月20日の当選発表の際、偽サイトに誘導する詐欺メールなどの被害に遭わないよう周知し、今後も呼びかける。
6月14日にはチケット不正転売禁止法が施行されており、組織委では警察当局と連携し、不正転売の監視も強化するとしている。(本誌・羽富宏文)
※週刊朝日 2019年8月2日号より抜粋
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