宮迫はもらっていた金額を含め会社側に6月8日に伝えたと、20日の会見で次のように話していた。
「田村から、『お金のことを言いましょう』と言われた。金額は宮迫が100万円、田村が50万円だったので、会社に言わなければいけないと思って、レイザーラモンHGとガリットチュウの福島善成と合流。吉本興業の社員2人、弁護士2人の計8人で6月8日に面談した。いくらもらったか金額も全て言ったが、『今更ひっくり返せませんよ』と会社側から言われて、いったん納得した」
会見を会社側がさせなかったという宮迫や田村の主張に、会社側はこう説明する。まず、6月24日以降に宮迫の担当マネジャーが会見について相談。担当マネジャーが「会見はタイミングが大事。今は違うのではないか、今さら、という評価になってしまうのではないか」と言うと、宮迫も「そやなー」と納得した様子だったという。
その後も受け取った現金の納税手続きや寄付の手配などに時間がかかり、会社側としてはすぐに会見できなかったとしている。
宮迫と田村は吉本興業の岡本社長から、「テープとってるんか」「会見したら全員クビだ」と言われたと述べ、会社への不信感をあらわにした。
岡本社長は「テープとっているんか」という発言は冗談のつもりだったが、通じなかったと釈明した。
岡本社長は会見で、2人にあのような会見をさせてしまい申し訳ないと謝罪。契約解除や処分を撤回し、吉本興業への復帰を呼びかけた。
「処分の撤回を行いまして、いつの日か戻ってきてもらえることがあるならば、全力でサポートしたい。これからは『芸人ファースト』でやる。会見をすることについてタレントと正しい意思疎通ができなかった。コミュニケーション不足を痛感しています」
岡本社長は辞任を否定し、岡本社長と大崎洋会長が役員報酬50%を1年間、カットするという。
今回の騒動では、松本らほかの芸人も巻き込んで、吉本興業が分裂しかねないとの見方があった。会社としては社長の謝罪で、早期に事態を収拾させたい考えだ。宮迫と田村亮への復帰呼びかけで、世論の反発を避ける狙いがあるとみられる。
ただ、宮迫、田村と会社側の主張が食い違うだけに、真相がはっきりしない。芸人とのコミュニケーション不足があったので復帰を呼びかけるという説明も、一般の人には理解しにくい。
(本誌・多田敏男、太田サトル)
※週刊朝日オンライン限定記事