反社会的勢力との“闇営業”問題を巡って、お笑い芸人の雨上がり決死隊・宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮がそろって、7月20日午後3時から都内で会見を開いた。
2人はお金をもらっていたことを早期に会見で説明したかったが、会社側からは「静観でいきましょう」と、事実上の口止めを指示されていたと主張。吉本興業の岡本昭彦社長から、「会見したら全員クビだと言われた」と述べた。
事実なら経営トップが情報開示を差し止めていたことになる。吉本興業はこれまで正式な会見を開いておらず、説明不足が批判されていただけに、経営責任が厳しく問われそうだ。吉本興業は6千人近い芸人を抱えお笑い界に“帝国”を築いてきたが、人気芸人2人が反旗を翻したことで帝国崩壊につながりかねない状況となっている。
吉本関係者は会見前に2人が爆弾発言をするのではないかと、次のように警戒していた。
「これは宮迫のクーデター。岡本社長の首を取る覚悟のようだ。宮迫はこれまでの経過について、発言の録音など証拠も用意しているようだ。全部、暴露したら、吉本が割れるかもしれない。芸能史に残るクーデターになる」
会見では冒頭、宮迫と田村が頭を深々と下げて謝罪した。宮迫は次のように言葉を詰まらせながら語った。
「何よりも詐欺の被害にあわれた方々に、とんでもない不快なつらい思いをさせてしまっていることを、おわびさせてください。世間のみなさま、我々のことを応援してもらってる方々、とんでもない迷惑をかけている関係者の方々、不快な思いをさせている全ての方々におわびさせてください。本当に申し訳ありませんでした」
田村も、当初はお金はもらっていないとうその説明をしていたことを認め、謝罪した。
「僕の弱い、人としてダメな部分で虚偽の説明をしてしまった。その言動で不快な気持ち、不信感を抱かせた全ての方々に申し訳ございませんでした」
会見で注目されたのは、吉本興業側がお金をもらっていた事実を6月8日には把握していたのに、6月24日まで発表していなかったという部分だ。
宮迫によると田村亮から「お金のことを言いましょう」と言われた。金額は宮迫が100万円、田村亮が50万円だったので、会社に言わなければいけないと思って、レイザーラモンHGとガリットチュウの福島善成と合流。吉本興業の社員2人、弁護士2人の計8人で6月8日に面談したという。
社員や弁護士にはいくらもらったか金額を全て言ったが、「今更ひっくり返せませんよ」と会社側から言われて、いったん納得したという。その後宮迫は会見を開きたいと強く思うようになったという。
「6月8日以降も闇営業の問題は大きくなり、その中で詐欺被害者から奪われた金を受け取っているのではないかという報道もあり、情けなく、申し訳なく自分のことが許せなくなった」(宮迫)