でも続々と新種が出るたびに「相変わらずやっとるのう~」と嬉しくなってしまいます。金粉なんか完全に悪ふざけに近いと思うのですが、なんか許せる。というのも、やっぱりちゃんと基本が出来てるからですよ。色モノペヤングの間にオリジナルペヤングがドーンと控えていてくれる、帰る場所がある安心感。この『伝統』の重みが強み。
でもペヤングはその『伝統』に甘えることなく常に前のめり。これは落語家の姿勢にも通じる。「やらなくてもいーんじゃない?」と周りが眉をひそめることも、とりあえず前のめりにやってみる。冒険から何が生まれるかわからないもの。もちろん『伝統』も大切に。そう。私の理想の落語家は『ペヤング』。ちなみに……どうやらソースはボトルで売ってるらしい。なんと! でも私はそれに頼ることなく、少しでも師匠に近づくさ。
※週刊朝日 2019年5月24日号