放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、東京・大田区の生花店「花幹」。
* * *
「母の日」が近づき、花屋さんに注文する方が増える季節である。
贈りたい方が遠方にお住まいのとき、頼りになるのは、花店のネットワーク。もっとも有名なのは「花キューピット」だろう。
全国5千以上の加盟店からなる「一般社団法人JFTD」の生花通信配達事業で、特に「母の日」には、「花キューピット」のチラシに何度助けられたことか。
予算別に掲載されたチラシやHPのブーケやアレンジメントの画像と、ほぼ“そのとおり”の現物が、当日か前日、確実に届くのだから驚く。
そんなJFTD加盟店であり、さらに、有名人の顧客が多いことでも知られるのが、大田区(東京)の『花幹』だ。
「企業様向け生花装飾なら花幹」と謳い、創業は昭和45年。年中無休なので、記念日や誕生日のみならず、急に花を贈らなければならないとき「本当に助かっている」という有名人が多い。
有名人の場合だと、なんといっても多いのは、舞台やコンサートなどに贈るスタンド花や胡蝶蘭だろう。
「あ、今日が初日だったと慌てて注文の電話をしても、『その公演なら、他のお客様からも承っておりますので、一緒にお持ちできます』と即答されて助かった」という人がいれば、「注文書に札の名前を間違えて記入してしまったら、正しく直して贈ってくれた」とか「劇場名を告げただけで『そちらは、楽屋花しか受けていただけないところです』とか『今回は、お花の数が多くなることが予想されているそうで、小さめの鉢物がいいと思います』など、アドバイスが完璧」という。