林:黒木瞳さんのモノマネもしてます?

清水:してました。みんなからすごいヒンシュクです。「歌、あんなに下手じゃない」って(笑)。

林:昔、松坂慶子さんが歌った「愛の水中花」っていうのもすごかったけど(笑)。

清水:ああいう人、いなくなっちゃったんですよ。みんな小器用になっちゃって、音程をはずす人もあんまりいなくなって。あ、はっきり言っちゃった(笑)。

林:浅田美代子さんの「赤い風船」なんか衝撃的でしたよね。

清水:「大丈夫か?」みたいな感じで、テレビにグッと顔を近づけて見てましたもんね(笑)。あんな人もう出ないのかなあ。人柄がよくて、いかにも大人に「歌え」って言われて、「わかりました」って歌わされるアイドルの形が好きだったんですけど。

林:薬師丸ひろ子さんも、そんなにうまくはなかったですよね。

清水:最初、「ぜんぜん下手じゃないですけど」って顔をしてお歌いになるから、「そうなのかな」って思わせる技術があるなと(笑)。

林:今、有村架純ちゃんとか綾瀬はるかちゃんとか、ふんわり系のかわいい女優さんが全盛なのに、キャラが濃い昭和の人たちのモノマネが若い人たちにウケるということは、みんなかすかに覚えてるわけですか。

清水:昔のアイドルのモノマネをやって若い人たちがわからないと、「知らないし」で笑って終わるんですけど、若い世代をマネすると、古い世代は「わからない!」となぜかちょっと怒るんですよ。「クリープハイプって誰なんだ!」とか(笑)。だから古い人のモノマネは意外と大丈夫。

林:清水さん、昭和の生き証人みたいになっていくかもね。

清水:昭和、平成はなんとかなったけど、もう令和生まれは無理でしょうね(笑)。

林:そこにいくと、ユーミンとか寂聴先生はフォーエバーですよね。

清水:ほんとほんと。私のためにずっといてくださいと願いたい(笑)。

(構成/本誌・松岡かすみ)

週刊朝日  2019年4月19日号より抜粋

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