「水上生活者の生活改善のための雨水タンク設置に関わりました。喜んでくださる人がいる一方で、掃除が大変などの声も聞きました。よかれと思ったことが必ずしも喜ばれないことを学びました」



 アンコールワット遺跡の修復のリーダーをしている日本人からも話を聞いた。

「『現地では遺跡の価値を知らない人が多い。遺跡の重要性を伝えると、やりがいをもって修復作業をするようになる』という話に、感銘を受けました」

 特色入試の面接では、作文コンクールやSGHの活動をアピールした。

「教育科学科でメディアを専門に学びながらも、心理や犯罪など、広い分野に目を向けて学び、将来は自分の思いを、借り物ではない自分の言葉で発信していく仕事に就きたいです」

■経営、教育、認知科学を学び、起業したい
京大総合人間学部 山田崚人さん 宇和島南中教(愛媛)

 現役のときは大阪大工学部を受けたが、高校時代から物理、化学、経済など幅広い学問に興味があった。

「浪人が決まったとき、自分の勉強法を振り返り、記憶法などに関連する本を読むうちに、脳科学にも興味を持つようになりました」

 高2のときには、愛媛県教育委員会主催の「高校生おもしろ科学コンテスト」の物理、化学、数学部門に参加し、本選に出場。また、愛媛の水産業に打撃を与える赤潮の発生原因、対策などを考える研究を行ったほか、当日出された課題を解決するための英語での事業計画書と動画を12時間以内に提出するGEC(グローバルエンタープライズチャレンジ)にも参加した。

「特色入試の学びの設計書では、高1のときに手がけた『プレミアム商品券が地域活性化に役立っているか』を検証した研究とGEC参加をアピールしました」
 経営、教育、認知科学などを学び、勉強法に関する起業をするか、フリーランスのプログラミングエンジニアになる予定だ。

(文/庄村敦子)

※週刊朝日2019年3月22日号

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