「有村さんとの最初のカウンセリングの時、どちらかと言えばリスクのお話をしました。そのへんの知識がちょっと欠落しているような印象があったので、一度、考えてみてくださいという形になったんです」
有村は自分でもリスクを調べ、再び、来院した。
「2回目のカウンセリングでも、有村さんは手術を受けたいという意志を示されたので、『じゃあがんばろうね』と伝えました」
手術は昨年10月24日に行われた。山口院長がもっとも苦心したポイントは、術後の顔のデザインだった。手術費用の総額は400万円を超える。
「大学病院などで、同じ手術を保険診療もできるんです。しかし、それはあくまで治療であって、術後の顔が気に入らないと文句を言っても聞いてもらえない。当院は自由診療ですので、術後の見た目にこだわります」
CTや三次元カメラで撮影した内容をパソコンに取り込み、 コンピューターグラフィックで表示しながらもっとも魅力的に見える顔へと造り上げていった。
「あくまで、手術するのは骨ですから、皮膚ではありません。顎を移動させたからと言って、必ずしも骨の上の皮膚のありようが綺麗になるとは限らない。パソコンのディスプレイの上で、有村さんの骨の情報をお見せして、ここを切って、こういうふうに動かして行くと、こういうふうな形になりますという話をしました」
医師も十人十色だ。医師の好みも当然ながら、出るそうだ。山口院長はこう話す。
「いろんなパーツを調べたり、表情を見て動きを観察したりしながら、この人のコンプレックスはこうだから、ということを考慮に入れて、熟していく感じですね。外科手術ではあっても、見た目というのは感性にもつながってきますので、芸術に通じるところがあると思っています」
手術から4カ月が経過した。気になる副作用はどうなのだろうか。
「大きな合併症もないのを確認しています。まずまず安心はしていただいていいんですけれど、実際に術後の骨の治癒とか、骨がきちんとくっつくには年単位で時間がかかります。ですから、1年くらいは経過観察させていただく予定です」
有村の整形公表に対しては、好意的な意見が多く寄せられた。同じく、顔にコンプレックスを抱く人たちも多い。
「診察の時に、有村さんの表情が明るくなっているのが何よりですね」
生まれ変わった有村の今後は、タレントとしての才能にかかっている。
(本誌・上田耕司)
※週刊朝日オンライン限定記事
自分の顔を「実験場」として整形手術を公開 美容外科医「上原恵理」が追求する“美しさ”とは