□当初頼んだ税理士がこんな人だった
・どちらかというと、会計経理専門
・相続税申告件数が年に1~2件
・自分の肩書を強調する
・土地評価の不明点を税務署に都度問い合わせる
・あまり不動産に詳しくない
・土地の現地調査や役所調査をしていない
・打ち合わせ段階での言動にやや不安を覚えた
・実務は職員(補助者)に担当させたようだ
・高圧的で、質問しづらい雰囲気がある
(藤宮浩・不動産鑑定士の資料から作成)
土地の相続を巡っては、相続税の払いすぎだけでなく、分割協議でも落とし穴がある。
藤宮氏はこう指摘する。
「土地の遺産分割を話し合う際、相続税評価額と時価の差を意識する必要があります。例えば、東京都心の相続税評価額1億円の土地は、時価2億円というケースがあります。相続税申告書の財産目録をもとに相続税評価額で遺産分割したところ、実は土地の時価が高くて不公平だったという事態が起きます。逆に、老朽化した自宅は相続税評価額でプラスなのに、多額の取り壊し費用が必要なため、実質的にはマイナスの財産『負動産』となるケースもあります。相続税評価額をベースに協議すると、思わぬ不公平を招くこともあります」
何かと難しい土地の相続。税理士ら専門家への相談が欠かせないが、専門家任せにも落とし穴があることを知っておきたい。(本誌・中川透)
※週刊朝日 2019年3月15日号